2008年12月24日水曜日

富本銭

以前、富本銭(ふもんせん)の鋳造方法が、新聞に紹介されていた事を書きましたが、今回は和同開珎の製造のやり方が紹介されていました。
(URLです↓)
http://www.asahi.com/national/update/1223/OSK200812230075.html
今回参考になるのは、「縮み」の事が記載されており、1000年以上も昔に、「縮み」の問題が有った事を実感いたします。ダイカストで言うと、「縮みが有るため、寸法が出ない」「縮みのため、変形する」など!
今回、紹介されているのは、型を破壊して製品を取り出すやり方なので、変形は関係ないかも!湯回り悪かったんやろうな??

2008年12月10日水曜日

私が思うトレサビは!

ダイカストに付いての「トレサビ」ですが!!
製造、年、月、日、時間、何Shot目、鋳造条件、溶解材料の成分、溶解前のインゴット成分、作業者、工場内気温、鋳造機の金型冷却温度、水圧、エアー圧力、湿度が、解るような状態で有ること!
鋳造された製品・・・・金型から取り出されて、すぐにバーコード印字??(バーコードで無くても良いのだが)何らかの記号、文字が製品に刻印もしくは、印字出来る、又は、最近はやりの、チップを埋め込み、センサーを当てると諸条件が画面に出てくる仕組みが良いのですが。製品取り出し温度が200℃以上の物体に、後工程で、ショットブラスト、熱処理、機械加工が有る中、一般家庭に有るような物で考え処理する事自体が間違っていると感じるが!!ヒントは存在する。取り出し温度が300℃と考えれば、一般家庭に存在する温度と考えられます。つづきは次回

ブログのリンク先

私の、第二の「ふるさと」で有る、中国 上海に駐在する人のブログをリンク先に取り入れました。
Pudong Now!漢字で書くと、「浦東の今」ですか!!良くテレビで、中国 上海の映像が映し出されますが、テレビ塔が立っている所が、上海 浦東(プートン)です。一休日記など、中国、上海の移り変わりがおもしろおかしく書いて有ります。私も、上海に駐在経験が有る中で、おもしろく読まさせて頂いています。興味が有る方は、クリックしてみてください。

2008年12月4日木曜日

来年は?

来年は、丑年!!!私が生まれた年です。丑年だから何か変化が有るの?関係無いと思いますが!生まれた年だから何か変化を持たせたいと思います。
「変化」で有るとか「進歩」「進化」と言う言葉が有りますが、このご時世!「変化」でもなく「進歩」でもなく、やはり「進化」しないと生き残れないでしょうね!私が思う「進化」とは?
やはり、品質保証です。
ISOを取得している企業が有りますが、その中で「トレサビレィティー」一般的に「トレサビ」と言いますが、
「2009年を語れば」いかにトレサビが出来る企業が残るかです。特に、自動車部品に特化するなら!!他の業種でも「そんな事は当たり前」と言われそうですが。意外とトレサビが出来ていない?いや!全く出来ていない!多分、今のダイカストメーカーに、これから書く「トレサビとは?」を言うと!「出来ない」と回答が来ます。私が思う「トレサビは?」・・・・・・・次回


人斬り以蔵

厳しい世の中になって来ました。ダイカストが自動車産業に深く関わっている事を浮き彫りにするように、
世界の自動車生産量とリンクします。(他の自動車依存の物も同じでしょうが)
最近、「俺、人斬り以蔵」と言う人が悲痛な声で話しをしてきます。
ホントに悲痛な話しなのです。解雇された方、解約を打ち切られた方、人斬り以蔵は、血も涙もなく人を斬りますが!(本で読むと)今、解雇、契約打ち切りをしている担当者は、悲痛なのです。理解してあげてください。暖かい血も流れれば、涙も出ます。

2008年11月17日月曜日

楽譜

有る人が「鋳造作業標準書」とか「鋳造条件表」と言うのは、楽譜と同じでしょ!
楽譜を見ながら楽譜どうりに演奏すれば、曲が出てくるんでしょ。
深く考えて、理屈を付けて行くと変な話しになって来そうですが、
「インターナショナルスタンダード」と言う言葉が、楽譜の言葉と重なる様な気が
します。
ダイカストで言えば、楽譜は数字が並んでいる紙と、人の動きが書かれている紙だと思います。
その数字と動きを行えば、世界の何処に行っても同じ物が出来る!そんなダイカストの楽譜が出来ている所が有るのでしょうか??

2008年9月12日金曜日

1サイクルタイム

1サイクルタイムを短くする試みは20年前も今でも変わらないのですが、サイクルタイムを短くする前に、
95%以上良品が取れて、80%以上の稼働率が確保出来るサイクルタイムが有るはずです。
サイクルを短くする前に、基準となるサイクルタイムを知る必要が有ると考えます。
サイクルタイム短縮・・・「命」で突っ走っていると見えなくなる部分が上記の「基準となるサイクル」です。
「サイクルタイムを3秒縮めた」「2秒縮めた」とか、「俺ん所は125㌧を16秒でやっている」など!
サイクルタイムが全面に出てきて、「じゃー稼働率は?何%、不良率が何%」と説明を求めると、説明出来ない事が多い。
1秒、2秒サイクルを縮めても、1日に生産する個数は同じで有ったり、逆に少なかったりする場合が多い。
稼働率が悪かったり、不良率が高かったりした場合、サイクルタイムを短縮したとは言えないと言う事です。
変にサイクルを縮めた事で、作業者の無駄な動きが多くなる事も有ります。
近年、鋳造機と後工程をラインでつなぐ事が多い中、サイクル短縮が難しくなりましたねー!機械加工のサイクルアップも必要と思うが。
ダイカストでサイクルを早くする事で、どうしても金型温度と冷却水の関係が出てきます。
現状では、金型温度を冷やす為に、洪水の様に離型剤をぶちかけていますねー!!!

2008年9月7日日曜日

稼働率

稼働率と言うのは、「人が動いて稼ぐ率」と漢字で書けばこんな感じになるのかな!!
ダイカストメーカーの人と話をして、「俺ん所の工場は、85%の稼働率でやっている」と良く聞きます。
時には、「90%ダー」と言う人も居ますが、工場内と、人の動きを見て「これで85%の稼働率なんですか?」ともう一度聞きたくなる事が有ります。私が思う稼働率の取り方で行けば、85%の稼働率でやられている所ですと、60%位かな?いや、もっと悪いか?と言った所です。
なぜ!85%の所も有れば、時には90%などと言う数字が出てくるのか?
稼働率を算出する時に「「稼働時間」の分母を変えているからだと思います。
小企業ですと、朝8時からよーいドンで生産を開始して、昼休みの交代でつないで、夜8時頃まで作業をしたとします。作業者の方が「今日は順調良く動いた、機械も止まらなかったし」と思い、稼働時間を
朝8時~夜8時までの時間で計算すると、80%位なのです。
「何でこんなに低いの?」と思う位なのです。現場で働く人は、ほとんど機械が止まらなく動かしたつもりでもその程度の稼働率の数字しか出てきません。
私が思う稼働率は「人が動いて稼いだ率」ですから
1.捨て打ちによる不良品も稼働時間に入れて不稼働時間とする。良品数のみで行う。
この事を行うと、後工程の素材選別の不良と、加工が有り、加工で発見される鋳造不良のカウント、客先から返品される鋳造不良のカウントを行わないといけませんが、その様な事を行うと、「ほとんど止まっていない」と思っても稼働率が80%位なのです。この80%の数字はそう易々たたき出せる数字では無く、1ヶ月の内で3日間程度でしょう。1ヶ月平均すると65%位、良くて70%程度の稼働率になるはずです。分母の稼働時間は、タイムカードを押した時から、タイムカードを押すまでの時間です。

冒頭の85%だ、90%だ!と言っている所はどの様な取り方か!と言うと、稼働時間を稼働率を取る為に決めた時間でやっている。「それは、それでいいじゃないか」と言われそうですが!
実際は、朝タイムカード押した時間から帰るタイムカードの時間まで(AM8:00~PM5:00)と言う事になります、朝礼をする時間の15分を引いてる会社もあれば、機械故障で動かなくなった瞬間から稼働時間に含めなかったり、人が遅刻したり、休んだりしたときも、稼働時間から外している所も有ります。
おそれいったのは、金型交換時間を稼働時間から外している所も有るそうです。
確かに、稼働率は高い方が良いですが、都合の悪い所は稼働時間から外して、稼働率の数字を良く見せるのはいかがな物か?と考えてしまいます。
その様な、数字を良く見せたい習慣は、「対外的に60%だと言えない」とか会社の中で、人材不足が慢性化しており、機械が壊れても修理出来ないか?修理するのに時間を費やす。こんな様な事で稼働時間を変えて稼働率の数字を良く見せているのだと思う。
数字を良く見せても会社の利益率は変わらないのだが!そんなことを続けていると利益は下降線になって行くと思うのだが。
朝の朝礼と言うのは、今日1日の生産の流れで有るとか、注意事項で有るとかが話される時間で、これを行わないで生産をすると、思わぬ間違いが発生したりする物です。
しかし、稼働率を良くして稼ぐ為には、何とか15分で朝礼するところを10分で終わる様にみんなで工夫するとか、型替え時間を短縮する事を考えるとか、捨て打ちを少なくする事を考える。この様な事をして稼働率は上げて行く物だと思って居ます。分母の数字を替えることの方が楽ですけど。

2008年9月4日木曜日

ダイカスト検定

ダイカスト検定試験と言う制度が有り、3級だとか2級だとかに合格した話しは、ダイカスト工場に長年いると聞こえて来る物です。私も2級を持っていますが、20数年前に取った物で、現在の試験内容とは変わっているかも知れません。しかし、2級を取った人、1級を取った人のダイカストを知らない事には驚かされる。(私が出会った人だけかも知れませんが)机上でダイカストを習うとこの様になるのか?と思ってしまう。又、応用が利かない、現場に出ない、鋳造をやらない!悪いイメージが常に頭の片隅に有る。中には、すばらしい方もお見えですが、会社で生きていく為の「通行手形」の様な存在になってしまい、検定試験に合格しても、会社の役にたっていないような気がするが!
しかし、ダイカストに付いて「この様な物か」と理解するには良い試験かも!!

2008年8月31日日曜日

金型整備

ダイカストの金型整備と言うのは、ダイカスト工場の肝心要(かんじんかなめ)の部分だと思っています。ダイカストの金型と言うのは、ピン1本に対しても寸法が入っており、金型本体も寸法の固まりの様な物です。その寸法も1㎜と言う公差から0.05㎜の寸法公差が入っている物もあります。
この寸法公差を金型の償却が終わるまで守って行かなくてはならない部署でも有ります。
寸法だけでは無く、金型のクラックの対処、バリ対処、冷却詰まり、など様々な事を処理しなくてはならない所です。金型整備が不十分で有ると、ダイカスト出来ない事になります。
その仕事内容は重く、ダイカスト工場が金型整備中心で動く様な物だと考えています。
やはりその部署には、ダイカストの知識、金型知識を持つ人がトップに立ち金型整備を進める事が望ましいが、なかなか今の時代にその様な人はいませんね!

2008年8月23日土曜日

水溶性離型剤の少量塗布

私が扱っているスプレーシステムは、毎ショットごとの離型剤流量を監視して、上限値、下限値を設定しその値から外れた時に、スプレー装置もしくは、ダイカストマシン、取り出しロボットに何らかのアクションをやらせる事が出来るシステムで有り、離型剤流量の再現が手軽に出来る事です。
流量の再現と言うと、簡単に言えば、肉厚の薄い製品は、極力少量で塗布し、肉厚の厚い製品は量を多めに出す。厚い製品から薄い製品に型替えしても、以前の流量を手軽に再現出来る事です。
まー各製品ごとに流量を手軽に設定出来る事になります。
機械の汚れ、工場の汚れに関心が有るメーカーは、「少量塗布」と言う方向に行きますが、この「少量塗布」も得意な分野です。
しかし、水溶性離型剤の少量塗布を行う事も、油性離型剤を使用して鋳造を行う事と同じで、離型剤による「外冷」を金型冷却での「内冷」の方向に行かなくては出来ない事です。
「内冷」を強化しても、金型に通す冷却水の成分が悪さをして金型冷却回路に動脈硬化現象が出てきて、生産ロットを重ねるごとに離型剤塗布量が増えて来ます。(流量を測定していると良く解る)
結局は、簡単に少量塗布が出来る訳では無く、水から変えて行き、冷却水流量も安定した形にしていかないと少量吹きが安定して出来ない事になります。
私も、離型剤流量を測定出来るスプレーシステム、手軽に流量を変更出来るシステムが無かったら、水質で有り、水の流量変化の事まで解らなかったでしょう!
まずは、スプレーシステムから変えて頂く事を提案します。
色々な問題点が浮き彫りになって来ます。

2008年8月17日日曜日

机上の計算

流動解析の話しで、「机上でどこまでやれるか?」の話しをしましたが、
机上で計算した数字をダイカストマシンの条件にそのまま当てはめる事は、
現実無理が出てきます。
1.ダイカストマシンのダイプレートの精度
2.トグルピンの摩耗
3.プランジャースリーブ、チップの摩擦
4.エアーベントからのガスの抜け量
5.金型温度分布
机上での計算数字を中心にして、高い、低い、前、後ろにマシン条件を調整していくのが良いかと考えます。
その調整をした数字を流動解析などに入力して行くと次回からは、より現実的な数字になってくるかも知れません。

ダイカストの理想!

前回、流動解析の話しを書きましたが、使いこなせば相当な現実性が有ることは、解りました。
しかし、解析条件の入力がなかなかやっかい(慣れだとは?思うが)
湯流れをパソコン上で行った時の判断(これで良い)が、熟練者が行わないと出来ないかも?
「大きな間違いが無ければ良い」と言う考えで使っている所で有れば、熟練者等は入らないと思いますが。
ダイカストの理想!から言えば、金型を作る前、ダイカストマシンに金型を取り付けてトライをする前に、とことん流動解析で湯流れ状態を確認して、(金型温度、ガスの抜け量までを見る)鋳造方案の検討を行う事が理想と考えます。
前回にも書きましたが、トライの回数を減らす。金型寸法の問題も有りますが、せめて2回のトライで金型合格を取りたい物です。
トライ専用のダイカストマシンが有る会社ならともかく、量産機で行う場合と、行程変更等の理由でトライから量産機を使う会社ですと、トライにより生産がSTOPする事が非常に辛い。そのしわ寄せが、休日出勤であり、残業と言う事になってくる。
流動解析でとことん湯流れ状態を確認するのと、つまらない金型寸法ミス(機械に取り付かない、製品形状が違っていた!などなど)を潰して行かないと、なかなかトライ回数が減りませんね!
トライの中には、次行程のミス、客先のわがままも含まれて来るので、現場は大変です。
まとめて言うと、どこまで机上でやれるか?です。
「1回のトライで合格」なんて事で有れば、最高なんですが。


2008年8月9日土曜日

ダイカストの理想?

ダイカストて難しい!辛い!と言う話しを聞きます。
ダイカスト現場の管理者に近くなるほどその言葉は大きくなります。
又、ダイカストておもしろい!鋳造て奥が深い!と言う人は、
技術系、もしくは現場の管理から遠い人、ダイカストで成功している会社経営者、管理者が
言いますが、80%は「難しい」「辛い」がほとんどです。
私も、現場で25年近くやって来ましたが、「おもしろい」と思った事が無い!
思っていた事は。「今度生まれ変わったら二度とこの職業には就くものか」
いつも思っていました。
多分、何年か前?飛鳥時代に「富本銭」が発掘された時、ランナー付きの
富本銭が新聞の写真にのっていたのを覚えています。
今、我々がやっているランナー方案と同じでした。
飛鳥時代に現場で鋳造していた人も、「生まれ変わったら二度とこの職業に就くものか」と
思っていたかも知れません。(良品率と稼働率を聞いて見たいですが)
ダイカストの理想?て、なんなの?私の思いを一言で言えば。
1.机上での計算で金型を製作し、その計算数値をマシンに入力すれば物が出来る
一言では有りませんでしたね!
実際、流動解析などが流行った時期が有りましたが、流動解析も一つの道具で有り、
事例の蓄積が出来るメリットが有ります。
私も、アドステファンのソフトを使い、「遊んだ」と言う言葉は正しく無いかも知れませんが、
かなりイメージに近い湯流れになります。私がやったのは、ラドルからスリーブに入れる所からの
流動解析をしました。
スリーブ内で溶湯が踊っている疑似画像から、数秒後に射出スタートしてどの様にキャビィテーに
充填されるか!までやって見ました。
アドステファンで条件を作った人へは感謝気持ちですが、「想像どうりの湯流れ」を実現出来た
事です。(あくまでも、私の主観が入っていますが)
たいした物だ!と感激していましたが、
実際問題!!
パソコンの操作は、やはり精通している人しかできないかも?
40代を過ぎて色々な単位の変換を覚えるのは大変かも?
50代過ぎたら多分理解出来ないかも?
若い世代に渡すべき事だと思います。40代、50代世代の融合が出来れば最高ですが。

アドステファンの使い方の現状は?
ダイカストメーカーが客先に金型方案?を出す時、{この金型方案で大丈夫ですよ」
「湯流れはこの様になりますよ」と、見せる為の道具として使います。
実際、客先はダイカストに詳しく無く、アドステファンの「条件がどか?」など聞いてこない
物ですから、簡単ですね!
何が簡単か、アドステファンの条件で、すべて「真空」でやれば湯回りが良い解析になります。
エアーベントと付けなくても。
客先も客先!ダイカストメーカーもメーカー!
ダイカストの理想!から脱線しましたが、次回!!!!

2008年8月4日月曜日

水溶性離型剤の塗布の仕方

水溶性離型剤の流量に関して、金型温度との関わりが出てきます。
元々、水溶性離型剤を湯水の如く吹きかけて、金型表面を外冷しているのですから
離型剤の出量が変わったりすると、金型温度が変化します。
金型の内冷を強化しないで、サイクルタイム短縮を行う場合、
離型剤の量を増やし対応して行くのですが、大型機になると、その量たるや
すさまじい量をぶちまけます。
小型機でも、その量は250ccを超える場合が有ります。
20年前でも、そのやり方は変わっておらず、今、金型のP.L面から、滝のように
下に流れ落ちる離型剤を見て、いろいろな事を思います。
特に、水鉄砲状態でぶちまけてるのが、分流子への外冷で、ダイカストの機械加工の
刃物に切削油をぶちかけてる姿が目に映ります。
「あの部分に離型剤などかけなくても出来るのに!」(サイクルアップしたとしても)
いつも思っています。
「水溶性離型剤て、タダなの?」「排水処理はタダなの?」
信頼性の有るダイカスト製品を作る事は?この様ななり方。
金型冷却がまともに出来ていないのと、水溶性離型剤を塗布する為の、圧送装置の精度と
離型剤希釈精度が悪いから!とりあえず、湯水の如くぶちかけておけ!と言ってる管理者が
想像される。20年経過した現在も、「とりあえずぶちかけておけ!」ですね。
この様なやり方をしている所は、「ダイカストの環境はこんな物だ」
その現場ばかりにいる作業者に、「改善案」などを出させても、この環境が当たり前だと
思っているので、「きれいにしたい」などと言う案が出てこない事が多い。
20年前、現在、作業服の汚れは変わらない。
しかし、25年前だと作業服はきれいでした。
ハンドスプレーを使い、吹き付ける部分に吹き付ける事をやっていたから。

2008年7月25日金曜日

上海から帰国しました

上海から帰国しましたが、中国料理と一緒に食べる中国人を白酒が良く合うのか
今回も連夜飲みました。乾杯の連続、連夜と言う事で、酒好きは私もさすがに
嘔吐したほどです。今回は疲れました。

スリーブの話で、最近(去年の夏頃から)「スリーブの寿命が短い」と言う
話題を耳にします。
私どもが扱う、スリーブにして頂くと寿命が長い(元の寿命に戻る)と言われる
事がしばしばあります。

私の意見ですし、実際にテストした訳では有りませんが、原因として
1.材料の高騰
2.電気、ガス代の高騰が有り
寿命が短くなった物に対して、
1.材料を安い物に変更したのではないか?
2.電気、ガス代の高騰で、焼き入れ、表面処理が変わったのではないか?

いずれにしても、購入価格が去年を同じ金額で有ったら要注意です。

2008年7月23日水曜日

上海にいます。

現在、上海に来ていますが、中国の環境問題事情を現地に来て聞いてみました。
1.廃液についてどうなのか?
現状では、大気汚染について問題視されており、廃液については垂れ流し状態である。しかし、外   国企業については、規制が厳しく大気汚染と廃液処理は行っているようです。
ローカル企業については、大気汚染対策、廃液処理対策は、まだまだ先の話のようです。

溶解炉の排煙については、基準の数字が有るようですが、排煙の成分を測定する機械が無いらしく
(政府機関に)見た目で、黒い煙が出ていなければOKのようです。

金型冷却水、機械冷却水については、生産設備の増設が先になり、問題が出ているが中々冷却水まで気が回らない!(日系企業で)
私が扱っている環境に良い装置で有るとか!水関係の装置等は、中国で導入されるのは、まだまだ先の様です。

  

2008年7月16日水曜日

必要悪3

マシンスリーブの肉厚を確保し、充填率を50%程度の鋳造品を極力少なくした
プランジャー潤滑油で鋳造していくと、問題が出てきます。
「給湯口の下の溶損」です。(350トンで、充填率50%、1サイクル26秒、)
サーモグラフィーで、給湯口下の温度を射出完了時に測定すると、
480℃~500℃程度まで温度が上昇しています。
この温度で鋳造を続けた場合、2万Shot程度で、溶損が出てくるでしょう。
一般のSKD材の焼き入れ品で、500℃まで温度が上昇すれば、
当然、焼き入れも「なまる」しスリーブ材の成分も変化してくると思います。
私自身の考えですが、有る程度温度上昇を防ぐ為に、何らかの冷却を
しなければ、マシンスリーブの購入コストが上がり製品単価で吸収出来なく
なると考えます。
しかし、冷却等を用いると、「破断チル層」の問題が?
いずれにしても、この部分に関しても、温度コントロールが必要です。
プランジャーオイルを少なくして行くと、溶損が早くなる!
オイルであり、スリーブ内のエアーブローで有る程度スリーブ温度を
下げていたのかも?

2008年7月14日月曜日

必要悪2

プランジャーオイルで、正確に給湯口に入れていないと、
当然、チップとスリーブの摩擦が大きくなり「キーキー」と
音がする様になって来ます。
そうなると、プランジャーオイルのポンプを調整して、量を多く出す
事を行う習慣が根付いている様です。
「キーキー音がする」原因として、プランジャーオイルでは無いものは、
マシンスリーブの熱変形でしょう!音の原因が熱変形で有っても、プランジャーオイル量を
多くする習慣も有ります。
良く熱変形で問題となるのが、マシンスリーブの肉厚。
(内径と外形の肉の厚み)この厚みが薄いと熱変形による問題が出てきます。
125トンですと、Φ60を鋳造したとき。
250トンですとΦ70を鋳造したとき。
350トンですとΦ80を鋳造したとき。
ツバ付きブッシュ1体式を製作して、肉厚を確保しているので有れば、
そんなに問題が無いと思いますが。
目安として、使用するチップ径の1/3程度の肉厚は確保したい。
この問題を考えると、固定ダイプレートのスリーブ径が問題となるので、
ダイカストマシンを購入する段階から手を打ってやらないと、後から
大きくする事は、難しいですね!
マシンスリーブの肉厚を確保してやると、スリーブが長持ちします。
次回!!

2008年7月10日木曜日

必要悪

ダイカストで、「必要悪」と思われる部分がプランジャーオイルではないか?と
考えます。
「あのオイルを使わないで鋳造出来たら!」と思うことが、固定ダイプレート裏の汚れ
です。そこの部分はどうしようもなく汚れる。
チップ交換をする時、マシンスリーブを交換する時など汚れる為、作業者が
いやがる場所でしょう!実際、私自身も「いや」なところで、作業服の袖がいつも
汚くなっていました。(ウェスで清掃してから行っても)
オイルを使わないで鋳造をしたらどうなるか?やって見なくてもチップとスリーブが
かじって、キーキーと音がしてくるでしょう。
プランジャーオイルを1週間でダイカストマシン1台 18リットル消費する様な
鋳造屋さんも有るようですが、はたして?良い品質の物が出来るでしょうか?
又、以外と気を使っていない部分でも有ります。
マシンスリーブの給湯口にオイルを入れている所では、オイルを入れる銅パイプが
正確に給湯口にセットされていなく半分以上外にこぼれている場面を良く見かけます。
「必要悪」で有りながら、給湯口に正確にオイルが入る様にしていないと、射出速度、
増圧に影響が出るので、私も、正確にセットするよう作業者に指導していましたが、
非常に疲れる指導で有る事は間違いない!7年以上言い続け、「やって見せて」
「やらせて見せて」を繰り返すが、作業者の意識が薄いのには参った所です。
3日もすると、給湯口の銅パイプがずれたまま鋳造していました。
言う方が疲れる!!!
続く!

2008年7月9日水曜日

方案と方式

ダイカストの鋳造で、金型方案、鋳造方案など「方案」と言う言葉が
一般的に使われています。
しかし、「方案」は曖昧な言葉で有り逃げようと思えば、逃げになる言葉
でも有ると思います。(言葉の遊びに思われるかも知れませんが)
出来るなら「方式」が良いと思うのだが、前回に書いた鋳造条件でも
なかなか計算の様には行きません。
計算されていない部分
1.金型温度。
2.スリーブ、キァビティーからのガスの抜け量。
3.ダイカストマシンダイプレートの歪み具合。
大きく分けてそれくらいかな??
1.の金型温度に対しては、流動解析ソフトで有る程度計算されますが、
鋳造を開始してから、計算通り金型温度がなってくれない。
前に書いた、金型冷却水の話ですが!
金型の温度コントロールが出来る様にならないと、なかなか計算は出来ても
実際はその様にならないのが現状のダイカストです。

2.のガス抜きの話しは、ダイプレートの歪みも関係してくるのでこれも難しい。
まして、ガスの抜け量なんてどの様にして測定するの?
どの様にして計算するの?(やり方は有ると思いますが)
当分の間は、「方案」で良いか?

2008年7月7日月曜日

チップ径の選択

先日、射出速度に付いての話しをしましたが、
金型方案を考える上で、チップ径を決めるのに非常に
悩みます。
チップ径を選定するのに悩む理由!!
1.スリーブ充填率を上げたい。
2.ゲート速度を45m/s程度にしたい。
(前頁では、40m/s~60m/sと書きましたが。)
3.充填時間を早く、早くしたい。
方案を検討する段階では、射出速度を2.0m/sで考えて計算してました。
この3つの事に、現場での型替え時間の短縮で、「チップ径をなるべく
変えないで欲しい」の要望が来るわけですが。
現場での要望は、横に置いてやっていましたが、
一時、スリーブ充填率を優先して方案を考えていましたが、
意外と、湯回りが良く無い、内部品質に問題が出るなど!思ったほど
結果が出てきませんでした。
考えて見ると、スリーブ充填率を優先して、充填時間が0.06秒であり0.04秒
の方案になっていました。(スリーブ充填率は50%~55%程度)
最後まで、結果を追えずに退職してしまったので、途中の経過で言いますと、
スリーブ充填率を追うより、充填時間を短くして行く方が、良い結果になるのでは??
しかし、スリーブ充填率が30%を下回る様な方案も問題が有りますが。

2008年7月4日金曜日

射出速度

冷却水の話しは、少し横に置いて、射出速度の話題を書きます。
良く「射出速度は1.2m/sから1.5m/sの範囲でやっている」
とか!「2.0m/s以上上げると金型が壊れる」とか!言う話しを良く聞く事が有ります。
実際問題、射出速度で物事を言うのでは無く、充填時間とゲート速度で物を言うべき
で有ると考えます。
ランナー付きの製品を見て、「これは1.2m/sの射出速度で鋳造している」なんて
言われた事が以前有りましたが、どう見ても1.2m/sで湯回りが良く、良品が安定して
出てくる品物では有りませんでした。(実際出来なかったのだが!)
本当にやっているのなら??予測ですが!
よほど型締め精度の悪い??ほどよく型締め精度が悪いと言う方が正しいかも知れませんが、
ガスが良く抜ける為、射出速度を落として鋳造出来たか??
前にも書いた、冷却水の水圧が低く金型温度が高くなっているか??
大きく分けてそのくらいかな。
充填時間も金型温度で左右される。
金型温度で左右されると言う事は、金型温度が高ければ高いほど充填時間が
長くて良いと言うことです。私の別のブログで「油性離型剤」の事を紹介していますが、
油性離型剤を使って、350℃程度まで金型温度が上がって来ると、0.8m/sの
射出速度でも十分鋳造出来た経験が有ります。充填時間は、およそ0.08秒か0.1秒
程度だったと思います。(射出速度0.8m/sで)
水溶性離型剤を使って鋳造するので有れば、
1.射出速度は2.0m/s~3.0m/s程度
2.充填時間は、0.02秒~0.04秒程度(0.04秒では遅いかな)
3.ゲート速度は40m/s~60m/s程度の範囲に入る様にしたら良いかと
思います。(あくまで私の経験値ですが)
(充填時間の算出の仕方は、3種類ほど有るようですが、ここでは一般的な
算出方法でやってます。)
金型の方案を考えるのに、充填時間とゲート速度を決定するのに、
チップ径の選定が非常に悩む部分でした。
チップ径の選定は次回!!!

2008年7月3日木曜日

実際問題2

やって見なければ解らない!!
やって見ないと解らない!!
言い方は有りますが、私が23年前からのやり方と
変わっていない事は確かです。
21世紀になった現在も、1980年代のやり方が正しいと
言う?定着か?失敗を怖れるか?
実際、20年前、30年前の人が技術部の部長で有るとか、
会社経営者になっている事が多い中、「失敗を怖れる」
「過去に事例が無い」などと逃げ???とは言いませんが。
冒険が無い???
冒険では無いのですが、なかなか私が言っている事を理解して
頂けないのが現状です。
一番、がっかりする言葉が「他の会社はどうしてる」
「他の会社が出来ているから替える必要は無い」
閉鎖的だダイカスト業界で、この言葉は無いでしょう!!!
すいません!私が言われて来た歴史です。

2008年7月2日水曜日

実際問題

実際問題、ダイカストマシン1台事に冷却装置を付ける事は、
費用の面で、現実味が有るのか?と質問されそうですが。
私も実際試算したわけでは有りませんが、10年程度の長い目で
見ると費用対効果が出てくると思います。
ダイカストマシン10台の工場で1日22時間稼働すると仮定して!
まず、10台が全部22時間稼働するとは思えません。
型替えの時間も有れば、機械故障も有る。
1台、2台と停止している機械が有っても、
10台のダイカストマシンに十分供給するだけの冷却ポンプ、
クーリングタワー、が稼働していると言う事です。
休日出勤をする時も、「今日は3台稼働させれば良い」と言う時も、
10台のダイカストマシンを稼働させた時の冷却装置を動かさなければならない
事も有ります。
10台稼働させる為の冷却装置で、3台動かした場合冷却水の流量、圧力はどうなるのでしょう?
金型が冷えすぎる、良品が取れないなどの問題が出てきます。
逆に、元々冷却能力が足りない場合ですと、良品率が良い、稼働率が良いと言う話しが出てきますが。
インバーターで冷却水ポンプをコントロールしている所が有りますが、流量の追従性能が問題となる
らしい??(すいませ、人に聞いた話です)
続きは次回!!

2008年7月1日火曜日

冷却水の話しに戻ります。

話しを、冷却水に戻しますが、
では、どの様な冷却が理想なのか?
工場内配管
工場内配管に付いては、非常にお金がかかる物。
何処かの配管に内壁に堆積物が付着して冷却水の通りが悪くなった場合、
その何処か?を探すのに大変な作業が出てきます。
又、その配管を交換するにしても、それなりの費用がかさみます。
まして、10年に一回工場内の冷却配管を取り替え!!なんて事になった場合、その金額は、新規に配管工事をする以上に莫大な金額がいることでしょう。

私が、考えるのはダイカストマシン1台に1つの金型冷却装置を備える事です。
その冷却装置には、水を送るポンプが2台有り、1台はダイカストマシンの作動油のオイルクーラーに。もう一台は、金型冷却水に送ります。
送る水は、チラーを使い1年を通して同じ水温にし、水質は常に管理された状態に保つ事です。

2008年6月27日金曜日

金型温度とチル層

工場の金型冷却水に対する考え方を、これから変えなければ、良い品質の
ダイカスト品が出来ませんし、品質の保証が出来なくなる事です。
品質の保証 例 (一般ダイカストでの話し)
最近ダイカスト品で、「強度」を要求してくる製品が有りますが、
ダイカスト品と言うのは、巣があって当たり前の鋳造方法であり、まして強度を
求める話しも大丈夫かな??と心配になってきます。(求める強度にもよりますが)
現状どの様にして強度を出しているか??たとえば、例として上げると。
ダイカストと言うのは、金型に溶けた金属が鋳込まれた瞬間から凝固が始まり、
金型に接している部分から急速に固まって行きます。
金型に接している部分(急冷される部分)にチル層が形成されます。
チル層と言うのは、内部組織が密になっており、非常に固い層です。
普通の鋳造では、0.3㎜のチル層が出来るかな??と言う所ですが、非常に薄いのは確かです。
その緻密で固い層が出来るおかげで、強度が出てくるのです。
ダイカストでガス部品が鋳造されていますが、「巣が有って当たり前」のダイカスト品が部品と使われるのは、チル層が出来てガスが漏れないのです。

金型の冷却回路の中に、冷却水の堆積が出てきたらどうなるでしょう?
金型の熱交換機能が低下してきて、金型温度が上昇してきます。
金型温度が上昇して来ると、当然ダイカストされた製品が急冷されなくなりチル層が
より薄くなって来ます。
薄くなると、強度低下の問題や、漏れの問題が出てきます。
見た目では解りません。金型温度が上がっているので、見た目は非常にキレイな製品かも知れません。
間違った話し、強度が出ない時冷却水を止めて金型温度を上げ、湯回りを良くする事をやる場合が有りますが、逆効果になる事も有る!と言うことです。

2008年6月26日木曜日

工場循環水

何台ものダイカストマシンの冷却水を供給する為に、工場横にピットを掘りその水を各機械に循環させているのが、何処のダイカスト工場でも行われていることだと思います。
しかし、ピットが問題となる。
ピットを造るにあたり、当然コンクリートでプールを作る訳ですが、そのコンクリートの成分が冷却水にしみ出し金型冷却回路に悪さをします。
冷却水の成分分析を行うと、コンクリートの成分が出てくる事が多々有ります。
コンクリートの成分を冷却水に溶け込ませない為に、内壁にペイントする事も有りますが、(小学校、中学校のプールの様に)なかなか!24時間操業の年間200日以上稼働している工場として、1年に一回、もしくは2年に一回のペンキ塗り替えが可能かどうか?
作業として、ピットの冷却水を抜き、汚れを落とし、水気を乾燥させて、ペンキを塗り
ペンキを乾燥させて水を張る。早くて5日?1週間?何日で出来るでしょう?
いずれにしても大変な作業です。

2008年6月25日水曜日

ダイカストを行う為に本当の注意点

ダイカストの仕事を長年行っている中で、実際に力を入れなければならない部分を記載していきます。
本来ダイカストとは、金型と言う熱交換機を使いダイカストする訳ですが、熱交換機で有る金型冷却水にあまりにも配慮が無い事がダイカストメーカーを見て解ります。
冷却水に付いて、「日本は世界中で一番良い水で有る」などと言う人も居ますが、
答えは!「良い水では無い」と言う事です。
水道水、井戸水を含めて、人間が飲んで美味しい水と言うのは、ミネラル分を含んでおり、
飲んで美味しい水な訳です。
金型冷却水、機械冷却水にその水を使用すると、ミネラル分が悪さをします。
カルシューム、ナトリュームなどなど!
工場内配管内に錆を発生させ、金型冷却管内に堆積物を発生させる為、錆による冷却水流量の低下と、堆積物により金型の熱交換が低下してきます。
金型冷却の堆積問題で例を上げれば、
新型、更新型を製作して最初は湯回りが悪いが、数回鋳造して行く内に湯回りが良くなって来る事を経験された事は無いでしょうか?
ゲート方案、鋳造条件はそのままで。
一つに、金型冷却回路に水の体積物が付着してきて金型温度が上昇した事が原因と考えられます。
そのまま放置して、鋳造を続ければ金型温度が上がりすぎて、金型へのトラレ、焼き付き、ヒケ割れの原因となります。定期的に清掃が必要ですが、清掃と言っても!!大変な作業です。
ダイカストマシンを5台、10台で製造を行っている工場からすると人間で清掃するなんて何人かかるの?では、装置で清掃する事では?キレイに除去出来るの?洗浄液の廃棄処理は?
どんどん問題が出てきます。
一般のダイカストメーカーですと、放置されてるか、適当に掃除をしているだけ!が現状です。