2008年7月25日金曜日

上海から帰国しました

上海から帰国しましたが、中国料理と一緒に食べる中国人を白酒が良く合うのか
今回も連夜飲みました。乾杯の連続、連夜と言う事で、酒好きは私もさすがに
嘔吐したほどです。今回は疲れました。

スリーブの話で、最近(去年の夏頃から)「スリーブの寿命が短い」と言う
話題を耳にします。
私どもが扱う、スリーブにして頂くと寿命が長い(元の寿命に戻る)と言われる
事がしばしばあります。

私の意見ですし、実際にテストした訳では有りませんが、原因として
1.材料の高騰
2.電気、ガス代の高騰が有り
寿命が短くなった物に対して、
1.材料を安い物に変更したのではないか?
2.電気、ガス代の高騰で、焼き入れ、表面処理が変わったのではないか?

いずれにしても、購入価格が去年を同じ金額で有ったら要注意です。

2008年7月23日水曜日

上海にいます。

現在、上海に来ていますが、中国の環境問題事情を現地に来て聞いてみました。
1.廃液についてどうなのか?
現状では、大気汚染について問題視されており、廃液については垂れ流し状態である。しかし、外   国企業については、規制が厳しく大気汚染と廃液処理は行っているようです。
ローカル企業については、大気汚染対策、廃液処理対策は、まだまだ先の話のようです。

溶解炉の排煙については、基準の数字が有るようですが、排煙の成分を測定する機械が無いらしく
(政府機関に)見た目で、黒い煙が出ていなければOKのようです。

金型冷却水、機械冷却水については、生産設備の増設が先になり、問題が出ているが中々冷却水まで気が回らない!(日系企業で)
私が扱っている環境に良い装置で有るとか!水関係の装置等は、中国で導入されるのは、まだまだ先の様です。

  

2008年7月16日水曜日

必要悪3

マシンスリーブの肉厚を確保し、充填率を50%程度の鋳造品を極力少なくした
プランジャー潤滑油で鋳造していくと、問題が出てきます。
「給湯口の下の溶損」です。(350トンで、充填率50%、1サイクル26秒、)
サーモグラフィーで、給湯口下の温度を射出完了時に測定すると、
480℃~500℃程度まで温度が上昇しています。
この温度で鋳造を続けた場合、2万Shot程度で、溶損が出てくるでしょう。
一般のSKD材の焼き入れ品で、500℃まで温度が上昇すれば、
当然、焼き入れも「なまる」しスリーブ材の成分も変化してくると思います。
私自身の考えですが、有る程度温度上昇を防ぐ為に、何らかの冷却を
しなければ、マシンスリーブの購入コストが上がり製品単価で吸収出来なく
なると考えます。
しかし、冷却等を用いると、「破断チル層」の問題が?
いずれにしても、この部分に関しても、温度コントロールが必要です。
プランジャーオイルを少なくして行くと、溶損が早くなる!
オイルであり、スリーブ内のエアーブローで有る程度スリーブ温度を
下げていたのかも?

2008年7月14日月曜日

必要悪2

プランジャーオイルで、正確に給湯口に入れていないと、
当然、チップとスリーブの摩擦が大きくなり「キーキー」と
音がする様になって来ます。
そうなると、プランジャーオイルのポンプを調整して、量を多く出す
事を行う習慣が根付いている様です。
「キーキー音がする」原因として、プランジャーオイルでは無いものは、
マシンスリーブの熱変形でしょう!音の原因が熱変形で有っても、プランジャーオイル量を
多くする習慣も有ります。
良く熱変形で問題となるのが、マシンスリーブの肉厚。
(内径と外形の肉の厚み)この厚みが薄いと熱変形による問題が出てきます。
125トンですと、Φ60を鋳造したとき。
250トンですとΦ70を鋳造したとき。
350トンですとΦ80を鋳造したとき。
ツバ付きブッシュ1体式を製作して、肉厚を確保しているので有れば、
そんなに問題が無いと思いますが。
目安として、使用するチップ径の1/3程度の肉厚は確保したい。
この問題を考えると、固定ダイプレートのスリーブ径が問題となるので、
ダイカストマシンを購入する段階から手を打ってやらないと、後から
大きくする事は、難しいですね!
マシンスリーブの肉厚を確保してやると、スリーブが長持ちします。
次回!!

2008年7月10日木曜日

必要悪

ダイカストで、「必要悪」と思われる部分がプランジャーオイルではないか?と
考えます。
「あのオイルを使わないで鋳造出来たら!」と思うことが、固定ダイプレート裏の汚れ
です。そこの部分はどうしようもなく汚れる。
チップ交換をする時、マシンスリーブを交換する時など汚れる為、作業者が
いやがる場所でしょう!実際、私自身も「いや」なところで、作業服の袖がいつも
汚くなっていました。(ウェスで清掃してから行っても)
オイルを使わないで鋳造をしたらどうなるか?やって見なくてもチップとスリーブが
かじって、キーキーと音がしてくるでしょう。
プランジャーオイルを1週間でダイカストマシン1台 18リットル消費する様な
鋳造屋さんも有るようですが、はたして?良い品質の物が出来るでしょうか?
又、以外と気を使っていない部分でも有ります。
マシンスリーブの給湯口にオイルを入れている所では、オイルを入れる銅パイプが
正確に給湯口にセットされていなく半分以上外にこぼれている場面を良く見かけます。
「必要悪」で有りながら、給湯口に正確にオイルが入る様にしていないと、射出速度、
増圧に影響が出るので、私も、正確にセットするよう作業者に指導していましたが、
非常に疲れる指導で有る事は間違いない!7年以上言い続け、「やって見せて」
「やらせて見せて」を繰り返すが、作業者の意識が薄いのには参った所です。
3日もすると、給湯口の銅パイプがずれたまま鋳造していました。
言う方が疲れる!!!
続く!

2008年7月9日水曜日

方案と方式

ダイカストの鋳造で、金型方案、鋳造方案など「方案」と言う言葉が
一般的に使われています。
しかし、「方案」は曖昧な言葉で有り逃げようと思えば、逃げになる言葉
でも有ると思います。(言葉の遊びに思われるかも知れませんが)
出来るなら「方式」が良いと思うのだが、前回に書いた鋳造条件でも
なかなか計算の様には行きません。
計算されていない部分
1.金型温度。
2.スリーブ、キァビティーからのガスの抜け量。
3.ダイカストマシンダイプレートの歪み具合。
大きく分けてそれくらいかな??
1.の金型温度に対しては、流動解析ソフトで有る程度計算されますが、
鋳造を開始してから、計算通り金型温度がなってくれない。
前に書いた、金型冷却水の話ですが!
金型の温度コントロールが出来る様にならないと、なかなか計算は出来ても
実際はその様にならないのが現状のダイカストです。

2.のガス抜きの話しは、ダイプレートの歪みも関係してくるのでこれも難しい。
まして、ガスの抜け量なんてどの様にして測定するの?
どの様にして計算するの?(やり方は有ると思いますが)
当分の間は、「方案」で良いか?

2008年7月7日月曜日

チップ径の選択

先日、射出速度に付いての話しをしましたが、
金型方案を考える上で、チップ径を決めるのに非常に
悩みます。
チップ径を選定するのに悩む理由!!
1.スリーブ充填率を上げたい。
2.ゲート速度を45m/s程度にしたい。
(前頁では、40m/s~60m/sと書きましたが。)
3.充填時間を早く、早くしたい。
方案を検討する段階では、射出速度を2.0m/sで考えて計算してました。
この3つの事に、現場での型替え時間の短縮で、「チップ径をなるべく
変えないで欲しい」の要望が来るわけですが。
現場での要望は、横に置いてやっていましたが、
一時、スリーブ充填率を優先して方案を考えていましたが、
意外と、湯回りが良く無い、内部品質に問題が出るなど!思ったほど
結果が出てきませんでした。
考えて見ると、スリーブ充填率を優先して、充填時間が0.06秒であり0.04秒
の方案になっていました。(スリーブ充填率は50%~55%程度)
最後まで、結果を追えずに退職してしまったので、途中の経過で言いますと、
スリーブ充填率を追うより、充填時間を短くして行く方が、良い結果になるのでは??
しかし、スリーブ充填率が30%を下回る様な方案も問題が有りますが。

2008年7月4日金曜日

射出速度

冷却水の話しは、少し横に置いて、射出速度の話題を書きます。
良く「射出速度は1.2m/sから1.5m/sの範囲でやっている」
とか!「2.0m/s以上上げると金型が壊れる」とか!言う話しを良く聞く事が有ります。
実際問題、射出速度で物事を言うのでは無く、充填時間とゲート速度で物を言うべき
で有ると考えます。
ランナー付きの製品を見て、「これは1.2m/sの射出速度で鋳造している」なんて
言われた事が以前有りましたが、どう見ても1.2m/sで湯回りが良く、良品が安定して
出てくる品物では有りませんでした。(実際出来なかったのだが!)
本当にやっているのなら??予測ですが!
よほど型締め精度の悪い??ほどよく型締め精度が悪いと言う方が正しいかも知れませんが、
ガスが良く抜ける為、射出速度を落として鋳造出来たか??
前にも書いた、冷却水の水圧が低く金型温度が高くなっているか??
大きく分けてそのくらいかな。
充填時間も金型温度で左右される。
金型温度で左右されると言う事は、金型温度が高ければ高いほど充填時間が
長くて良いと言うことです。私の別のブログで「油性離型剤」の事を紹介していますが、
油性離型剤を使って、350℃程度まで金型温度が上がって来ると、0.8m/sの
射出速度でも十分鋳造出来た経験が有ります。充填時間は、およそ0.08秒か0.1秒
程度だったと思います。(射出速度0.8m/sで)
水溶性離型剤を使って鋳造するので有れば、
1.射出速度は2.0m/s~3.0m/s程度
2.充填時間は、0.02秒~0.04秒程度(0.04秒では遅いかな)
3.ゲート速度は40m/s~60m/s程度の範囲に入る様にしたら良いかと
思います。(あくまで私の経験値ですが)
(充填時間の算出の仕方は、3種類ほど有るようですが、ここでは一般的な
算出方法でやってます。)
金型の方案を考えるのに、充填時間とゲート速度を決定するのに、
チップ径の選定が非常に悩む部分でした。
チップ径の選定は次回!!!

2008年7月3日木曜日

実際問題2

やって見なければ解らない!!
やって見ないと解らない!!
言い方は有りますが、私が23年前からのやり方と
変わっていない事は確かです。
21世紀になった現在も、1980年代のやり方が正しいと
言う?定着か?失敗を怖れるか?
実際、20年前、30年前の人が技術部の部長で有るとか、
会社経営者になっている事が多い中、「失敗を怖れる」
「過去に事例が無い」などと逃げ???とは言いませんが。
冒険が無い???
冒険では無いのですが、なかなか私が言っている事を理解して
頂けないのが現状です。
一番、がっかりする言葉が「他の会社はどうしてる」
「他の会社が出来ているから替える必要は無い」
閉鎖的だダイカスト業界で、この言葉は無いでしょう!!!
すいません!私が言われて来た歴史です。

2008年7月2日水曜日

実際問題

実際問題、ダイカストマシン1台事に冷却装置を付ける事は、
費用の面で、現実味が有るのか?と質問されそうですが。
私も実際試算したわけでは有りませんが、10年程度の長い目で
見ると費用対効果が出てくると思います。
ダイカストマシン10台の工場で1日22時間稼働すると仮定して!
まず、10台が全部22時間稼働するとは思えません。
型替えの時間も有れば、機械故障も有る。
1台、2台と停止している機械が有っても、
10台のダイカストマシンに十分供給するだけの冷却ポンプ、
クーリングタワー、が稼働していると言う事です。
休日出勤をする時も、「今日は3台稼働させれば良い」と言う時も、
10台のダイカストマシンを稼働させた時の冷却装置を動かさなければならない
事も有ります。
10台稼働させる為の冷却装置で、3台動かした場合冷却水の流量、圧力はどうなるのでしょう?
金型が冷えすぎる、良品が取れないなどの問題が出てきます。
逆に、元々冷却能力が足りない場合ですと、良品率が良い、稼働率が良いと言う話しが出てきますが。
インバーターで冷却水ポンプをコントロールしている所が有りますが、流量の追従性能が問題となる
らしい??(すいませ、人に聞いた話です)
続きは次回!!

2008年7月1日火曜日

冷却水の話しに戻ります。

話しを、冷却水に戻しますが、
では、どの様な冷却が理想なのか?
工場内配管
工場内配管に付いては、非常にお金がかかる物。
何処かの配管に内壁に堆積物が付着して冷却水の通りが悪くなった場合、
その何処か?を探すのに大変な作業が出てきます。
又、その配管を交換するにしても、それなりの費用がかさみます。
まして、10年に一回工場内の冷却配管を取り替え!!なんて事になった場合、その金額は、新規に配管工事をする以上に莫大な金額がいることでしょう。

私が、考えるのはダイカストマシン1台に1つの金型冷却装置を備える事です。
その冷却装置には、水を送るポンプが2台有り、1台はダイカストマシンの作動油のオイルクーラーに。もう一台は、金型冷却水に送ります。
送る水は、チラーを使い1年を通して同じ水温にし、水質は常に管理された状態に保つ事です。