2008年7月4日金曜日

射出速度

冷却水の話しは、少し横に置いて、射出速度の話題を書きます。
良く「射出速度は1.2m/sから1.5m/sの範囲でやっている」
とか!「2.0m/s以上上げると金型が壊れる」とか!言う話しを良く聞く事が有ります。
実際問題、射出速度で物事を言うのでは無く、充填時間とゲート速度で物を言うべき
で有ると考えます。
ランナー付きの製品を見て、「これは1.2m/sの射出速度で鋳造している」なんて
言われた事が以前有りましたが、どう見ても1.2m/sで湯回りが良く、良品が安定して
出てくる品物では有りませんでした。(実際出来なかったのだが!)
本当にやっているのなら??予測ですが!
よほど型締め精度の悪い??ほどよく型締め精度が悪いと言う方が正しいかも知れませんが、
ガスが良く抜ける為、射出速度を落として鋳造出来たか??
前にも書いた、冷却水の水圧が低く金型温度が高くなっているか??
大きく分けてそのくらいかな。
充填時間も金型温度で左右される。
金型温度で左右されると言う事は、金型温度が高ければ高いほど充填時間が
長くて良いと言うことです。私の別のブログで「油性離型剤」の事を紹介していますが、
油性離型剤を使って、350℃程度まで金型温度が上がって来ると、0.8m/sの
射出速度でも十分鋳造出来た経験が有ります。充填時間は、およそ0.08秒か0.1秒
程度だったと思います。(射出速度0.8m/sで)
水溶性離型剤を使って鋳造するので有れば、
1.射出速度は2.0m/s~3.0m/s程度
2.充填時間は、0.02秒~0.04秒程度(0.04秒では遅いかな)
3.ゲート速度は40m/s~60m/s程度の範囲に入る様にしたら良いかと
思います。(あくまで私の経験値ですが)
(充填時間の算出の仕方は、3種類ほど有るようですが、ここでは一般的な
算出方法でやってます。)
金型の方案を考えるのに、充填時間とゲート速度を決定するのに、
チップ径の選定が非常に悩む部分でした。
チップ径の選定は次回!!!

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