2013年8月18日日曜日

初めての試みですが!「ダイカストの少量塗布、極小塗布」のビデオをYouTubeにアップしました。
多いか?少ないか?は、現状どれだけ塗布しているか、知る必要が有ります。

URLは → http://youtu.be/4uXHnX3hZN4

2013年4月3日水曜日

金型方案

日系大手ダイカストもやっている企業から、金型を移管されて鋳造を行なう事になりました。
中国での話ですが。
金型の方案に疑問が有る!引き合いの中でも「6個取り」「12個取り」の要求が有るのですが、
多数個取りにした場合、「高速切替位置」が重要になってくると思うのだが。

高速切替位置は、「ゲート打ち」と呼ばれる、ゲートに差掛かった位置で高速速度に切り替える位置で、その高速切替位置から、+10㎜とか-10㎜とかで、高速位置を決定していく訳ですが。
多数個取りの製品レイアウトから「何処で高速位置を決めたら良いのか」解らないレイアウトの金型が多い!
例えば、4個取りですとカタカナの「キ」の字の取り方とか6個取りですと「キ」の字にもう一本横棒を足して、6個取りにしてある金型レイアウトも有る。
金型設計者は、鋳造条件に付いて知っているのか?と疑問に思う事が有る。

古いダイカストマシンですと、低速 → 高速 → 高速増圧と3段階の切替しか出来ないのだが!
新しいダイカストマシンでも、「パラショット」を目的として高速領域にて加速していくやり方になる。
(多段速ダイカストマシン)(超高速ダイカストマシン)

カタカナの「キ」の字レイアウトですと、天側の製品から充填してい行くので、ゲート速度から見て地側の製品の充填に差掛かったとき、射出速度を落とさないと、地側の製品に関してゲート口の焼き付きとか、溶損が発生する。
この様な事が解っていて、天と地のゲート断面積を変えていれば「考えてるな」「解っているな」と思うのだが、それさえも考えず金型が作られてしまう。
天と地の充填時間も変わって来る中で、「キ」の字形、電信柱形のレイアウトだと、地側に行くほど不良率が高くなるのだが。

変な話で、不良対策にてゲート断面積を変えようとすると「工程変更」と言う壁が出てくる。
又、VA提案と言う形で「コストが安くなるので有ればやっても良いよ」などと、現場泣かせの決まり文句と対抗しなければならない。

金型を製作する場合、よほど考えて金型方案とかゲート方案とか決定する必要が有るとつくづく思う

2013年3月5日火曜日

臭い物には蓋をする

ダイカスト工場では、汚れの問題が良く取りだたされます。
水溶性離型剤による、機械の汚れ!床の汚れ!プランジャーオイルによる機械の汚れ、油煙等々
「汚れの総合商社」の様な職種で有る事は間違い無いと思います。
(一部のダイカストメーカーでは非常に綺麗な工場を拝見しますが)
汚れの対策に「なぜ、なぜ・・・・」を5回繰り返せ!と良く言われるけれど、5回繰り返すとなぜか?
汚れの発生部位にカバーが取付けられている事も多々有ります。

「なぜ、なぜ・・・・5回」本来で有れば、汚れの発生元を正さなければならないと思うが、「臭い物に蓋をする」様な対策になっていませんか?

2013年2月9日土曜日

ソフトダイカスト

久しぶりのUPになります。
昨年1年間は、中国大陸にてダイカスト工場の立ち上げ、鋳造指導と忙しく動いておりました。
昨年、当社のスプレーシステム、冷却システムにて、今まで経験したことの無い、数字が出て来た事を記載致します。

水溶性離型剤を使用して!30万ショット以上のライフ達成。(クラック無し)現在も進行中で、40万から50万ショットまで問題無く鋳造できてしまう勢いです。

今までのダイカスト人生の中で、この様な事に遭遇する事は「無かった」と思います。
しかも!ノークラックで。

1機種、1製品だけの特殊な現象なのか?と最初は思っておりましたが、イヤイヤ、違う製品も同じ様な事が置きつつ有ります。20万ショット越えにて、ノークラック。これも製品を見ている限り、30万ショット、40万ショット越えも確実に行くでしょう。

今回の設備で行なった事は!
ソフトダイカスト・・・柔らかい鋳造と言う言い方が正しいかは解りませんが。
① 溶解温度を下げた!630℃、640℃付近。
② 水溶性離型剤の極小塗布 アズキャストの状態で550g程度で10ccの塗布量
③ 金型冷却水の管理。流量管理
④ ハイサイクル アズキャスト550g程度の製品で18秒

上記の4点が、上手く調整されると、長寿命な鋳造が可能となることが解って来ました。
私のブログには、「油性離型剤」のブログも有りますが、遙かにその数字を越えてしまう結果が出たことに驚いています。
又、550gの総重量製品に関して!
⑤ 廃液0
⑥ 離型剤原液使用量が、1日3,000Shot、倍率150倍にて、原液価格が88円程度
油性の離型剤と比べ!比較にならない位の数字が出て来ます。

*この内容も、油性スプレーを長くやってきた副産物と考えてはいますが。

その他に、プランジャー潤滑装置も改良して、塗布量φ60にて0.05ccを安定して出し、
プランジャーチップ寿命が15万ショット、スリーブ寿命が40万ショット(現在も使用中)そんな数字も出て来ております。

水溶性離型剤の極小塗布に使うノズルをプランジャー潤滑ノズルに使用しているのも、功を奏しているのかも知れません。

ダイカスト工場内は、廃液も出ない、周囲への飛び散りも無い為、床はピカピカ。
ダイカストマシンの汚れも少なく、清掃時間の短縮にも繋がっております。
昨年の2月から今年に掛けてですので、これが維持出来ている事に関して、すばらしい工場で有ると思っております。

この様な結果が出る装置を今回開発出来た事で、ダイカストのやり方がこれから変わって来ると思い、更なる開発、研究を進めております。