2013年2月9日土曜日

ソフトダイカスト

久しぶりのUPになります。
昨年1年間は、中国大陸にてダイカスト工場の立ち上げ、鋳造指導と忙しく動いておりました。
昨年、当社のスプレーシステム、冷却システムにて、今まで経験したことの無い、数字が出て来た事を記載致します。

水溶性離型剤を使用して!30万ショット以上のライフ達成。(クラック無し)現在も進行中で、40万から50万ショットまで問題無く鋳造できてしまう勢いです。

今までのダイカスト人生の中で、この様な事に遭遇する事は「無かった」と思います。
しかも!ノークラックで。

1機種、1製品だけの特殊な現象なのか?と最初は思っておりましたが、イヤイヤ、違う製品も同じ様な事が置きつつ有ります。20万ショット越えにて、ノークラック。これも製品を見ている限り、30万ショット、40万ショット越えも確実に行くでしょう。

今回の設備で行なった事は!
ソフトダイカスト・・・柔らかい鋳造と言う言い方が正しいかは解りませんが。
① 溶解温度を下げた!630℃、640℃付近。
② 水溶性離型剤の極小塗布 アズキャストの状態で550g程度で10ccの塗布量
③ 金型冷却水の管理。流量管理
④ ハイサイクル アズキャスト550g程度の製品で18秒

上記の4点が、上手く調整されると、長寿命な鋳造が可能となることが解って来ました。
私のブログには、「油性離型剤」のブログも有りますが、遙かにその数字を越えてしまう結果が出たことに驚いています。
又、550gの総重量製品に関して!
⑤ 廃液0
⑥ 離型剤原液使用量が、1日3,000Shot、倍率150倍にて、原液価格が88円程度
油性の離型剤と比べ!比較にならない位の数字が出て来ます。

*この内容も、油性スプレーを長くやってきた副産物と考えてはいますが。

その他に、プランジャー潤滑装置も改良して、塗布量φ60にて0.05ccを安定して出し、
プランジャーチップ寿命が15万ショット、スリーブ寿命が40万ショット(現在も使用中)そんな数字も出て来ております。

水溶性離型剤の極小塗布に使うノズルをプランジャー潤滑ノズルに使用しているのも、功を奏しているのかも知れません。

ダイカスト工場内は、廃液も出ない、周囲への飛び散りも無い為、床はピカピカ。
ダイカストマシンの汚れも少なく、清掃時間の短縮にも繋がっております。
昨年の2月から今年に掛けてですので、これが維持出来ている事に関して、すばらしい工場で有ると思っております。

この様な結果が出る装置を今回開発出来た事で、ダイカストのやり方がこれから変わって来ると思い、更なる開発、研究を進めております。